ダンスホールは踊らない

3種類の人間がいる。ダンスホールに一緒に行った人と踊る人間、ダンスホールにいる人と踊る人間、そして、ダンスホールで踊らない人間だ。ぼくはダンスホールには行かない。

紹介を紹介する

なにかお願いされたら、あなたはどうするだろうか。重要なのは、その”お願い”に対し、あなたが何かしらの解決策や答えを示すことができるかではなく、「それを持っていないときにどうするか」だとつくづく思わされた。

今日、新しいお仕事の相談を受けた。少し複雑になるが関係者はぼくを含めて4人(社)いて、まず発注者であるAに”お願い”があるようで、Bに相談を持ちかけたそうだ。BはCにその願いに答えられるか聞き、さらにCがBおよびAの願いをぼくに求めた。BとCはそれぞれAとBを紹介だけして、いい仕事になるといいですねとだけ言って、颯爽と次の仕事に取り掛かっていた。

有名な話だが百貨店で”ないもの”について客から質問があった際、「ありません」という答えではなく「当店にはありませんが、〇〇(他の百貨店もしくはお店)にはあります」と対応する教育を受けるという。

ぼくはいまIT業界に半分くらい身を置いていて、毎度驚かされることばかりだが、本当に良くないと思うことがある。多重下請けだ。ここ2年くらいの間に見た中で最大のものでは、発注者と実際の実行部隊の間に5社入っていた案件があった。その案件はお断りしたが、本当に信じがたい光景だった。管理を管理するというのは、本当に成り立つのだろうかはなはだ疑問だが、絶妙なバランス、もしくはバランスが取れていない状態でバランスが取れているのだろう。

前の業界では、自分ができないことはその解決策を持っている人を紹介だけして、手数料を取るという習慣はなかった。今回のお仕事はぼくにとってみれば、紹介の紹介の紹介で、発注者のAのことはまったく知らなかった。BもCもそれぞれ、Aのため、Bのためと思って無料でぼくを紹介してくれた。「情けは人のためならず」というがこういう行いは必ず自分の元に帰ってくるし、実際に今まで何度もそんな場面に遭遇した。本当に人のためを思っているなら、本当は持っていない5社と持っている1社という奇妙な関係には絶対にならないはずだ。あー紹介しますよーと気軽に、そして颯爽に言いたいものだ。